top of page
LINE_ALBUM_アー写(モノクローム混合)_220613_45.jpg

Our Live Schedule......

Dates

 07.16.2022

Live&Bar RUBBER SOUL

at Kokubunji

    Latest shows    
22822.jpg

Our FIRST E.P is Now on sale

The Beginning

Written by Keito Watanabe

2019年、ソフトクリームがボトリと落ちそうな茹だるような夏だった。 オレは架空のバンド「ヴァルヴィーナ」を脱退した。ベースのロゥはカフェイン、ドラムのタムはニコチンの依存症だった。オレは毎日、自分の音楽、理想の音を出せずにイラついていた。

当時付き合っていたガールフレンドと遊園地にいた。子連れの親子、若いカップル、学生達がはしゃいでいた。彼女はトイレに行くから待っていてと言った。ベンチに座っていたオレはふと目を上げるとそこにはソフトクリームが溶けた白い線があった。無数の蟻が散らばっていた。オレは何となく白い線を辿ってみた。その線は遊園地の茂みに行き、ボロい小屋に繋がっていた。オレは恐る恐る扉を開けた。そこは遊園地に併設してあるサーカスの道化師達の休憩所だった。ざっと5、6人がいた。ピエロ、小人、巨人症、老婆。その中に前と背中にベースを抱えている男がいた。足元をよく見てみるとベースの弦を足の指に挟んでサンダルがわりにしている。「これは参ったぜ」と思いそいつに名前を聞いた。 「junpei」とだけ答え、楽器の演奏を始めた。

自宅から自衛隊の砲撃音が聞こえる。地鳴りのような音が辺りを支配する。それが何かの合図のように、オレはギターを弾くのを止め外に出た。8月の太陽が色の濃い影を作り、地面に映した。何となくその辺の石ころを蹴り、転がった先でまた蹴った。石とオレは川辺にたどり着き、最後に思いっきり蹴った。石は橋の下にいき、何かにぶつかった。「イテェな」と男の声が聞こえた。オレは男に目を向けた。ダンボールと週刊誌で作ったドラムセットで、ドラムの練習をしていた。男は舌打ちをすると、また練習に戻った。
そして、ダンボールのバスドラムから砲撃音が聞こえた。

2019年夏、スリーピースバンド結成。

bottom of page